8月婆さん復活


7月はひととき寂しかった姥石平も、8月近くなると、また賑やかになってきます。
ハクサンイチゲの二度咲きを皮切りに、
朱赤のクルマユリ、ピンクのハクサンフウロ、薄青紫のハクサンシャジン、クガイソウ、
黄のトウゲブキ、ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)、ミヤマキオン、白のミヤマトウキなどが次々と咲き出します。

白い小花はハクサンイチゲの二度咲き。
クルマユリもほんの少し混じっている。
クルマユリは年によって咲き方にむらがあり、この年は非常に少なかった。
1992/08/11
トウゲブキ、クルマユリ、ハクサンフウロなど。後ろの山は焼石岳本峰。
1992/08/11
ミヤマトウキ(イワテトウキ)
Angelica acutiloba var. iwatensis
他にハクサンフウロやトウゲブキ、ハクサンイチゲなども見える。
1992/08/11
クルマユリ Lilium medeoloides
手前の黄はミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)、
奥の方はトウゲブキ。
1992/08/11

7月から咲き出したミネウスユキソウも見かけ上、まだ健在です。

ミネウスユキソウ Leontopodium japonicum f. shiroumense
1992/08/11

ミネウスユキソウは低山に分布するウスユキソウの高山型で、白馬岳や早池峰山にはいっぱいありました。
他の東北の山、例えば秋田駒ケ岳や鳥海山、月山にはもっとエーデルワイスに近い草姿の
ミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ)Leontopodium fauriei が分布しています。
焼石岳にも有ると聞きましたが、私はまだ見ていません。

地味な花でも、オヨヨッ(^^;と思うような意外な植物に出くわす点は
焼石岳の面白いところです。

オクキタアザミ Saussurea riederi subsp. yezoensis var. japonica
厳密にはアザミではなくトウヒレンの仲間なので触っても痛くない。
鳥海と焼石だけに産する。1992/08/11
オオレイジンソウ
Aconitum gigas var. hondoense

近くで見るとエイリアンの頭みたい。
1992/08/11
タテヤマウツボグサPrunella prunelliformis

ハクサンフウロ Geranium yezoense var. nipponicum

1992/08/11

オオレイジンソウ(花の中の距を確認していない為、エゾノレイジンソウ Aconitum gigas の可能性あり)
本来、樹林帯で他の草に寄りかかるように生えていますが、ここでは裸地を無雑作に這い廻ってるものもありました。
秋田側斜面や湯田コースで多く見られます。
ここのタテヤマウツボグサは白馬(八方尾根)で見たものに較べると、花が小さく、色も薄くなっています。ミヤマシオガマとは逆パターンです。

頂の秋田側(西側)には、小規模ながら、崩壊斜面があります。
ここでは、先のハクサンフウロ、ハクサンシャジン、ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)など一般的な花の他に、
イワオウギ(白)、タカネナデシコ(ピンク)、カンチコウゾリナ(黄)、先のオオレイジンソウなどが見られます。
いずれも東北では比較的珍しい種類です。

イワオウギ Hedysarum vicioides
1992/08/11
タカネナデシコとハクサンシャジ
1992/08/11
タカネナデシコ Dianthus superbus var. speciosus 
1992/08/11
クガイソウとクジャクチョウ
クガイソウ Veronicastrum sibiricum subsp. japonicum
低山でもときどき見かけるが、ここでは背が低く、50センチ前後しかない。
左側のセリ科はエゾニュウか。1992/08/11

以前、山頂の東斜面(胆沢川源流、焼石沼付近)では、ベコ(南部短角牛)が放牧されておりました。
秋田(東成瀬村)側から登ると、「こんにちわ」と寄ってくるベコをいかにやり過ごすか、
生きたベコだけでなく、そのプロダクツをいかに踏まないように歩くかなどで(^^;)苦労したもんです。
このエリアは、その関係で植生がかく乱されており、一部の牧草や雑草が山頂近くまで駆け上っておりました。
タカネナデシコやイワオウギが、クローバーやオオバコと一緒に咲いていると言う嘆かわしい状況がある反面、
牛が食べないトリカブトやハンゴンソウ、アザミ類が繁茂し、それはそれなりにきれいでした。

私が登った頃を境にこの地での放牧は中止となりました。その後、10年以上、この場所は訪ねてないので、
植生がどう変わったのかわかりません。


次は「山頂に秋風立てば」です。
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