焼石、そして
リメイク版
その参

初夏の湿原巡り
焼石岳の東斜面中腹山麓には、中沼や上沼、石沼など魅力的な沼や湿原がいっぱいあります。
にも申しました通り、ここには尾瀬と見紛うような風景があちこちに点在しています。
特に中沼から銀明水までの登山道(通称:中沼コース)は、景色もよく、
6月から9月までの長期間、常に何がしかの花が咲き乱れているゴールデン・ルートであります。
初夏の中沼。バックは獅子ケ鼻岳から横岳にかけての稜線。
横岳の残雪の一部は真夏でも残ってます。
1992/06/27
ミズドクサ Equisetum fluviatile のアップ。
1992/06/27
ミズドクサは厳密にはスギナの群に属します。
中沼の群生はみごとで、植物図鑑や山岳雑誌等でもよく紹介されてました。
1992/06/27

腹はやたら雪が多いと、再三、言ってますが、
これは主に東斜面での話。
そこでは7月でも、フレッシュなミズバショウやリュウキンカが見られます。
年によっては、ナント!8月でも。
両方とも、一応、春の花なんですがね。
ミズバショウ Lysichitum camtschatcens 、リュウキンカの群生。湯田コースにて。
1994/06/12
リュウキンカ Caltha palustris のアップ。
1992/06/27
リュウキンカの群生。
1992/06/27
ミズバショウやリュウキンカが終わると、その後を追うように、
コバイケイソウやカラマツソウ、モミジカラマツ、オニシモツケなど大柄な草の花が咲き出します。
池の中ではミツガシワも新鮮。いずれも花色は白ですね。
コバイケイソウ Veratrum stamineum 上沼にて。
1992/06/27
コバイケイソウのアップ。
1992/06/27
ミツガシワ Menyanthes trifoliata
1989/07/15
オニシモツケ Filipendula camtschatica 
1992/07/29

色の有る花ではハクサンチドリがいっぱい。
ハクサンチドリ Dactylorhiza aristata
標高900mの中沼から姥石平まで、広く分布。色違いを探してみるのも一興。
1990/06/23
それからアヤメも・・・。
ヒオウギアヤメ Iris setosa 
真夏の高山で突然、和服姿の美人に会ったような気分。
1987/08/15
この時期、焼石がユニークだなと思うのは、やたらアヤメの多いことです。
厳密にはヒオウギアヤメですが、このアヤメ、艶やかな花姿ながらも裾を端折って結構高いところまで駆け登ってます。
しかも雪消えの遅い場所では、8月になってから咲き出したりと・・・
(^^;)どうもこの山では既成概念が通じませんね。

7月にはトウゲブキも咲き出します。
この花は北海道や東北地方の山では一般的ですが、焼石岳ではむちゃくちゃ多く、登山口から頂上までふんだんに見られます。
また野生種には珍しく開花期間が長く、初夏から秋まで咲き続けます。
なお、この山には少数ながらよく似たマルバダケブキ Ligularia dentata もありますが、両者の識別方法は図鑑等に任せます。
トウゲブキ Ligularia bodgsonii  上沼にて。 
白い花はカラマツソウ、左隅にヤマブキショウマ。コバイケイソウはもう実になっていた。

1992/07/29
以上、中沼コースを中心に話を進めておりますが、
他のルート(東成瀬コース、湯田コース)でも、同じような湿原や花が見られます。

有名なヒメカイウ Calla palustris はこれらのいずれのルートでも見られません。こちらは写真はありませんが、
それは・・・(^^;)私もまだ見たことが無いからです。

森の愉しみ1/初夏編
東北でも有名な山の多くは、山頂近くまで道路が伸び、その上リフトがあったりと、お客様への配慮は至れり尽くせり。
車やリフトから降りた途端、そこはお花畑!ワーッ、キレー!なんてことが多いのですが、いきなり核心と言うのも何か味気ないものです。
より多くの感激を味わうためには、額に汗し、自らの脚で歩くのが一番。
麓の村からテクテクは論外としても、せめて中腹の樹林帯くらいから歩き、頂上をめざしたいものです。
その点、(^^; 焼石岳は、幸か不幸か道路の整備がたいへん遅れており、ヘリコプターでも使わない限り、
どこから登っても最低2時間は樹林帯を歩かねばなりません。
従って、先に述べたような感激を味わうことが出来る、今時には珍しい山です。騙されたと思い、歩いてみませんか。
新倉沢(湯田コース)のブナ新緑
1994/06/12
清々しい森の精気を吸いながら、歩き出すと・・・

林の下にひっそり咲く意外な花達との出会いもあります。
アキタブキ Petasites japonicus var. giganteus
花かと思ったら、冠毛のついた実だった。
1994/06/1
ツバメオモト Clintonia udensis  
1994/06/12

初夏の頃、薄暗い林の下には、ギンリョウソウがニョキニョキ生えます。
その姿から、♪ねえ。ムーミンの「ニョロニョロ」、或いはもののけ姫の「コダマ」をつい連想してしまいますが、
ホントはこちらの方がずっと古くからあるし、もしかしたら両者のお手本になったのかもしれません。
ギンリョウソウ Monotropastrum globosum 1990/06/23

もっと目を凝らして歩きましょう。ほらっ。今度はピンクのコダマが!
ショウキラン Younia japonica  1992/07/29
本来は綺麗なピンク色なのだが、この個体は古くなり、色あせている。

このような腐生ランの仲間に会えたら、しめたもんです。

オオバタケシマラン Streptopus amplexifolius var. papillatus の地味な花。
1990/06/23

焼石岳では、森と森の間に何箇所も素敵なお花畑が広がっています。
通称『いちご畑』は、中沼コースとつぶ沼コースが合流する所。遅くまで残雪があり、初夏から秋まで花の絶えない場所です。
つぶ沼コースは鬱蒼たるブナの森林を延々と歩かねばなりませんが、ここまで辿り着くと、お花畑に今までの疲れも吹き飛んでしまいます。
いちご畑付近の残雪とお花畑。
道端にノウゴウイチゴが生えているので、この名が付いたものと思われますが、
今はミズバショウやリュウキンカが新鮮です。
1992/06/27

いちご畑の近くの林には、キヌガサソウの群生も見られます。
キヌガサソウ Kinugasa japonica 1989/07/15


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(本頁は2010/08/15にアップしました。)