アフター・ザ・スプエフェ・ラッシュ/春紅葉の林に咲く地味花

五月の連休が明けたら、里山は新緑に包まれていた。
右上にちょろっと見えるのは鳥海山
と言いたいところだが、必ずしも緑一色ではない。
朧な黄や紅、橙、場所によっては白も加わっている。緑にも濃淡や明暗がある。葉だけでなく、花も混じっている(上写真の白はたぶんヤマザクラの花だろう)
春紅葉だー!。秋の紅葉に較べたら、鮮烈さには欠けるものの、色彩はこちらの方が豊かだと思う。
赤味のある新緑は何の木だろう。
近寄ってみたら、或るものはカエデの仲間だと判った。赤く新緑する(春紅葉する)木は意外と多い。
春紅葉はつかの間の現象。
一週間もしたら、多くの木々は見慣れた緑に変わってしまう。
このような時期、林の中に入ると、下草は・・・

以下、五月の中〜下旬(例年なら五月上〜中旬)、秋田県内の里山で見かけた草花たちをお目にかけよう。
白い穂花を咲かせているのはユキザサ(キジカクシ科)。
ニリンソウ(スプエフェ)は葉が白く融けかけていた。右手前の大きなハート葉はスミレサイシン。

当然だが、英国のようにブルーベルの青い海原ではなかった。

秋田の林では何かしら花が咲いているものの、地味な花ばかり。
にしても、数日前まであんなにいっぱい咲いていたスプエフェ達はどこへ行ったのだろう。
場所によって、ニリンソウはまだ残っていたが、カタクリやキクザキイチゲなどの主役級スプエフェはもう実になっていた。
もう少し経てば葉の色も抜け、ドロンと消えてしまう運命。

木々の葉の展開とともに林の中は暗くなる一方。これから咲き出す地味な花たちは日陰に耐え、しぶとく生き続ける。
白い垂れ花はホウチャクソウ(イヌサフラン科)。
その根元の葉はハシリドコロ。
手前左の白花はコンロンソウ。右の三枚葉はエンレイソウ。
ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)(シュロソウ科)
一般的なエンレイソウに較べると開花は遅い。それなのに
この株はエンレイソウの血が混じっているのだろう。花弁が紫がかっていた。
秋田では県北部に多い。
チゴユリ(イヌサフラン科)
だけではない。他にもいろんな植物が混じっている。長く穂を伸ばしているのはタガネソウ(カヤツリグサ科)。
左手前にはホトトギス(ユリ科)の若葉も見える。
マイヅルソウ(キジカクシ科)。
亜高山帯の花とのイメージがあるが、秋田では平地の林でもよく見かける。
ギボウシを小型にしたような葉が小気味よい。もうじき白い小花が咲く。
この時期の林下には、白花の旧ユリ科が多い。

続いてサトイモ科。人によって好き嫌いはあると思うが・・・
ひとまずマムシグサとしておこう。

双子葉類に移ってセリ科。
いずれもスプエフェに近い生活史をもつものばかり。
シャク
林の中よりも林縁や道路端などでよく群生し、開花するとけっこうおみごと。その後は急速に枯れ、休眠する。
セントウソウ ヤブニンジン

他の科の花も少し
タチカメバソウ(ムラサキ科)とカキドオシ(シソ科)
前者は畑地の雑草、キュウリグサの仲間。微かにコバルト色を帯びた花もある。
コンロンソウ(アブラナ科) クルマムグラ(アカネ科)
科は違えど、白い花ばかりじゃないか。何故なんだろう。
これはちっこい。タニギキョウ(キキョウ科)。
手前の黄色っぽくなった葉はキクザキイチゲ。
こちらはでかい。
ラショウモンカズラ(シソ科)。
やっと白以外の花に出遭えた。

意外かもしれないが、雪国秋田では、シラネアオイが里山にも咲いている。
シラネアオイ(シラネアオイ科)
写真の個体は、標高50メートル程度の低山斜面にひっそり咲いていた。
キバナイカリソウ(メギ科)。
花は終わり近かったが、縦長のハート形の葉が一番きれいな時期。
右側、咲き出したばかりの青紫はラショウモンカズラ。
ルイヨウボタン(メギ科)
葉の形は牡丹のよう。色は浅い緑色できれい。花は思ったよりも地味だ。
こっ(;゚Д゚)こりは!
ヤマシャクヤク(ボタン科)の蕾

地味とはいえ、この時期咲く花の種類はけっこう多い。他にヒトリシズカやスミレの仲間、木の花も幾つか見かけたが、今回は割愛させて頂く。

最後に羊歯を少しだけ。
クサソテツ ヤグルマソウ(ユキノシタ科)と羊歯たち
クジャクシダ
このエリアには赤味の強いものが多かった。

春紅葉の終わった林の中はあっという間に暗くなってしまった。
これから先、光と花の乏しい状況が秋まで続く。
ニール・ヤングの「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」

次(春を追いかけて・・・)行くよ〜
裏庭トップに戻る
モガ狂トップに戻る
管理者注:本頁の写真は(`◇´)何人たりとも無断使用はまかりならん!
(本頁は2010年5月29日にアップしました。)

(本頁の題目は、ニール・ヤングの「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」をもじったものです。)