男鹿三山の花図鑑1.早春編

男鹿三山とは、秋田県男鹿半島にある低山で、北から、真山(565m)、本山(715.0m)、毛無山(617m)の三山の連なりを言う。
毛無山の代わりに寒風山を男鹿三山に入れる説もあるが、本頁では真山、本山、毛無山で行くことにする。
男鹿半島には、他に寒風山、目潟などの火山もあるが、男鹿三山の方は全て非火山で、南北に連なっている。

男鹿大橋から見た男鹿三山。
右手前から真山(565m)、本山(715.0m)、毛無山(617m)。
2018/09/15

男鹿三山の東側は比較的緩やかで大部分がスギの植林地になっているが、日本海に面した西側は急勾配で、原生林が多い。
西側斜面の海岸近くはカシワなど、上の方はブナなどの落葉広葉樹林に覆われ、山頂部は強風で矮性化したブナやミズナラなどの林に覆われる。

加茂青砂付近から見た本山と毛無山。
2014/03/23


本山、毛無山の山頂部は自衛隊のレーダー基地になっており、更に希少植物の保護のため、歩道以外は立ち入り禁止になっている。
この山域は不思議と植物の種類が多い。またここでしか見られない固有種が複数有るし(オガアザミ、トガアザミ、オガコウモリなど)、
ここで最初に見いだされ、命名された種類も幾つかある(トガヒゴタイ、デワノタツナミソウなど)。
これはたぶん島として孤立していた期間が長く、その間に種分化が進んだ結果と思われるが、チョウセンキバナアツモリソウの存在は不思議だ。

チョウセンキバナアツモリソウ Cypripedium guttatum
 男鹿市北浦真山の特別栽培地にて。
2019/05/23

このランは北半球に割と広く分布しているのに日本国内の産地は毛無山only。そう言えば、男鹿の名花オオサクラソウも変わった分布パターンだ。
何故このようになったのか、理由はまだわかっていない。男鹿三山はこと植物に関しては謎が多く、面白い山域だ。

本図鑑の花の掲載順はおおむね、開花が早いものからとしたが、特徴的な一部の花は複数回登場させている。
植物名の同定にあたっては、既存の野生植物関係の図鑑以外に、手持ちの古書、工藤茂美・著、「男鹿半島の花」(加賀谷書店)(絶版)
を参考にさせてもらった。
何か間違い等にお気づきの方は遠慮なくご指摘頂きたい。


【早春に咲く花】

男鹿は対馬暖流の影響も有り、春が来るのがすこぶる早い。
三月上中旬、ここにフクジュソウを観に行くのが私自身の慣習のようになっている。
この時期、秋田の内陸部はまだ分厚い雪に覆われており、フクジュソウが咲くのは4月下旬以降だから、男鹿ではひと月以上も早く咲くことになる。
秋田の春は男鹿からやって来ると言っても過言ではない。

フクジュソウ Adonis ramosa
2018/03/17

フクジュソウは園芸盗掘が祟り、一時期は減ったが、最近は回復傾向にあるように感じる。

ナニワズ Daphne jezoensis
ジンチョウゲの仲間の小低木。
早春の山林の下でよく見かける。
2017/03/18
アズマイチゲ Anemone raddeana
後出のキクザキイチゲによく似ており、混生するが、
葉の形や弁裏側のピンク色などで識別。
2018/03/27

キクザキイチゲ Anemone pseudoaltaica
花色は白と青紫があるが、男鹿では白が多い。
2018/03/27

キバナノアマナ Gagea lutea
2019/03/28
ミチノクエンゴサク Corydalis orthoceras
2019/03/17

オトメエンゴサク Corydalis fukuharae (エゾエンゴサク Corydalis ambigua)?
長楽寺の参道沿いや山頂部オオサクラソウ群生地で見かける。
2019/03/28

キクバオウレン Coptis japonica var. anemonifolia
2019/03/17
キツネノカミソリ Lycoris sanguinea の新葉
五社堂の下の山林に多い。有毒植物。
2015/03/15

シュロソウ Veratrum maackii var. japonicum ?
の芽だし
2016/03/27
ギョウジャニンニク Allium victorialis subsp. Platyphyllum
の芽だし
2016/03/27

男鹿の山林にはギョウジャニンニクが多いと聞いたが、私自身はあまり見たことが無い。
一説では山菜採りで採りつくされたとも言われる。なお同時期、シュロソウ(アオヤギソウ)も芽を出す。ギョウジャニンニクとよく似るが、こちらは有毒である。

アラゲヒョウタンボク Lonicera strophiophora
山麓では三月から咲いている。
2018/04/28

ヒメアオキ Aucuba japonica var. borealis
2019/03/28

アキタブキ Petasites japonicus subsp. giganteus
2016/03/07
エンレイソウ Trillium smallii
2019/03/28

五社堂のカタクリ群生
2019/04/18

カタクリ Erythronium japonicum
2018/03/27
ヒメニラ Allium monanthum
丈5cm、花も約5mmと小さく、見過ごしてしまいがち。
近くによるとプーンとニラ臭がする。廻りの葉はシャク。
2015/04/10

ナガハシスミレ(テングスミレ) Viola rostrata var. japonica
2019/04/18

スミレサイシン Viola vaginata
2018/04/28
ナツトウダイ Euphorbia sieboldiana
2019/04/18

ニリンソウ Anemone flaccida
2015/04/10

ベニチャワンタケ Sarcoscypha coccinea
2018/03/27



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(本頁は2020年2月18日にアップしました。)