初夏の稜線に咲く花達

月山は極めて雪の多い山ですが、南北に連なる長い主稜線上は、強風で雪が吹き飛ばされ、積雪量はそれほとではありません。そのため、雪消えも早く、花も早い時期から咲き出します。
この長い主稜線を辿るのが羽黒ルートです。こちらは八合目の弥陀ヶ原まで車で行けます。そこの標高は既に1400mですから、残る標高差は600m。これを5000mもの長い距離で詰めていきますので、登山と言うよりは丘陵をウォーキングしてるような感じです。

主稜線から西側斜面を見下ろす。白い花はチングルマ。1987/06/28

ただしそれがメリハリなく続くものですから、(-_-;)この山、あんまり面白くないと言う人も居ますが、次々と綺麗な花が現れるので、私は面白くてたまりません。
初夏の頃はミヤマシオガマのマゼンタがよく目を引きます。黄色のホソバイワベンケイやミヤマキンバイも多く、場所によってはハクサンイチゲやチングルマの白花も混じり、焼石の姥石平を思わせるような雰囲気でした。このようなお花畑は風衝草原と呼ばれます。
マゼンタ系のシオガマギクの仲間は他にヨツバシオガマもあります。こちらは花穂が長く、葉が四枚ずつ輪生しますので、簡単に識別できます。月山では稜線ではなく、湿原の縁などで見かけました。

ミヤマシオガマ Pedicularis apodochia
手前の筋のある葉はタカネアオヤギソウ。
1987/06/28
ホソバイワベンケイ Rhodiola ishidae
1987/06/28
ミヤマシオガマ。真ん中にウズラバハクサンチドリ 。
1987/06/28
ウズラバハクサンチドリ。
1987/06/28

おやっ。このミヤマシオガマ、ちょっと地味だなと思ったら、ウズラバハクサンチドリ Dactylorhiza aristata f. punctataでした。この花はハクサンチドリの一品種で、月山特産ではありませんが、他の山ではあまり見たことがありません。
ところで、別の日、この花を撮影していると、お爺さんお婆さんばかりの(ちょっと宗教臭い)登山グループを率いる女性ガイド(当時約五十歳)がハクサンチドリを指して、「(*^◇ ^*)皆さ〜ん。これが有名なガッサンチドリです〜。」と独特な節回しでアナウンスしていました。この女性は山頂でも、ハクサンフウロをガッサンフウロと呼んでました。もしかしたら、この山にある「ハクサンなんとか」と言う植物は、全て「ガッサンなんとか」と教えている可能性があります。いくら相手が人の良さそうな爺さん婆さんばかりだとしても嘘はいけませんよ。

さて、山頂が近くなると、小さな白っぽい植物が目に付くようになります。

ミヤマウスユキソウの群生。
他にはミヤマシオガマやホソバイワベンケイも。コイワカガミの花は早くも終わっていた。
1987/06/28

そばに寄って見たら、ミヤマウスユキソウ(ヒナウスユキソウ) Leontopodium fauriei でした。
この花は秋田駒や鳥海にもありますが、数は月山の方が圧倒的に多く、場所によっては一面に群生しているところもありました。

上の黄花はミヤマキンバイ。
他にホソバイワベンケイやハクサンイチゲ(葉)も混じる。
1987/06/28
上から見たミヤマウスユキソウ。
1987/06/28

クローズアップすれば、単独でもこの花はサマになるのですが、ここ月山では他のいろいろな高山植物とのコンビネーションも愉しめました。

黄色い花はキバナノコマノツメ Viola biflora 。1987/06/28

続いて、稜線の東斜面に群れ遊ぶ雪の子達を紹介します。


へ行く
トップページに戻る