lapisさんが語る英国園芸の意外な真実:2007年
3.ブルーベルのさざなみ

24561.超暖春のイギリスから-----ブルーベルのさざなみ
lapis@イングランド南東部   2007年4月30日(月) 7時59分
暫くご無沙汰してしまいました。
イギリスに戻ってきて10日が過ぎました。
こちらも暖冬に続く超暖春で、何もかもが半月以上早く咲き急いでいます。
うちの庭の八重桜は、例年なら5月上旬に満開になりますが、こちらに帰った時にはもう最盛期を過ぎ、遅咲きチューリップもすでに散ってしまった後でした。
お約束していたチューリップ庭園訪問は、問い合わせるとすでに最後のわずかを残すのみとのことで、来春のお楽しみということになってしまいました。
もう一つのお約束のブルーベルの海も、例年ならこの辺りは5月上旬なのですが、今年のピークはどうやら先週だったようです。少しピークを過ぎてしまって、しかもため息の出るようなブルーの場所は車の止められない所ばかりで・・・「ブルーベルの大海原」ではありませんが、「ブルーベルのさざなみ」で、今年はご勘弁を願います。 m(_ _)m
24562.
曇りの日の午前中に写真を撮る方が綺麗なブルーが出るのでしょうが、日差しのきつい午後になってしまいました。
(実際にはもう少し濃い目のブルーです)
24563.lapis@イングランド南東部   4月30日(月) 8時25分
ところで、「ブルーベル」と一言で言っていますが、大きく分けると
イングリッシュ・ブルーベル Hyacinthoides non-scripta スパニッシュ・ブルーベル H.hispanica 、そしてこの二つを掛け合わせたハイブリッド(H. x massartiana)があるのをご存知でしょうか。

イングリッシュ・ブルーベルの花は、筒の部分がまっすぐで、先端はくるりと反り返っています。葯は乳白色で、花の殆どが茎の片方についています。葉はスパニッシュと比べるとかなり細いです。
non-scripta「書かれていない」という変な種小名は、ヒヤシンスとの区別のためにつけられたのだとか。
(皆様ご存知のヒヤシンスの伝説にあるAiAiと言う文字が、ブルーベルの花には「書かれていない」と言う意味のようですね)

スパニッシュ・ブルーベルの花(と、ハイブリッド)は、筒と言うよりはベル型で、先端は少しカールしている程度です。
葯の色は、普通はブルーで、花は茎の周り全体に付き、それほど垂れ下がってはいません。花色はブルー以外にも白やピンクがあり、葉はかなり広めです。

こちらの庭で見かけるブルーベルは殆どがスパニッシュブルーベルかハイブリッドで、イギリス人でさえもその区別を知らない人がけっこういるようです。
スパニッシュの方が、見た目が派手で花も大きく、繁殖力も旺盛なようで、イングリッシュとの自然交配が進み、法律で保護されてはいるのですが、
純粋なイングリッシュは減少しているようです。
私の庭でも、植えてもいないのにそこここからスパニッシュが顔を出し、見つけ次第抜きまくっているのですが、
球根が深く潜っていて
抜き切れず翌春には数を増やして出現してきます。

この写真を撮ったあたりは、雑木林の中はイングリッシュ・ブルーベルの群生なのに、柵の外にはスパニッシュがちらほら咲いていて、
十年後にはどうなっているのかしらと気になりました。

日本のサイトで「イングリッシュ・ブルーベル」として記載されているものが、殆どすべて明らかにスパニッシュかハイブリッドなので、
本当のイングリッシュ・ブルーベルについて知っていただきたいと思って、長々と書いてしまいました。


画像左はイングリッシュ・ブルーベル。右はスパニッシュ・ブルーベル

24566.モウズイカ@秋田   4月30日(月) 9時3分
わっ(^o^;)早起きは山門の督とはよく言ったもので、今、撮影を終わって帰ったら、ブルベルの大洪水!
ありがとございました。

>日本のサイトで「イングリッシュ・ブルーベル」として記載されているものが、殆どすべて明らかにスパニッシュかハイブリッドなので、
>本当のイングリッシュ・ブルーベルについて知っていただきたいと思って、長々と書いてしまいました。
あうぅ(つдi)私も幾度となく騙されました。↑左はもろ「イングリッシュ・ブルーベル」と書かれてあった網袋から咲いた代物です((^^;)こちらにも出てます)
なお「10.最後の紅葉ハンティング 中編」でボロさんが提供してくれた写真(↑右)辺りがやっと本物かなと思ってましたが、lapisさん、先年の約束を果たしてくれて嬉し〜です。
(一部略)

24576.パスタイム安西@自転車ツーキニスト   4月30日(月) 12時40分
それそれ!
そーなのよ!
この問題は誰も本物と断定できるヤツを見たことがなかったり、国内の球根マニアの間でもいろいろ議論されてきました。
とりあえず、英国に専門のナーセリーがあって、ガランサスのように細分化された品種が存在することや、
そこのナーセリーから国内の某(笑)育種家が数系統導入していたりするので、近いうちに「これだ!」と言えるイングリッシュ・ブルーベルに出逢えるでしょう。
24585.ことく@金沢山間部   4月30日(月) 20時17分
ブルーべルすごい綺麗ですね♪こんなに群生してるって事は。かなり丈夫なんでしょうか?
チマタで球根売ってるのを見かけないのは何でだろう;
イギリスってこういう、綺麗なお花がずーっと咲いてるのをよく本とかで見かけるのですが、
日本みたいにごちゃごちゃっとその他雑草で駆逐されたりしないんですね(スギナとか;) いいなっいいなっ♪
24592.lapis@イングランド南東部   4月30日(月) 21時33分
下手な写真で申し訳ないのですが、イングリッシュブルーベル楽しんでいただけてうれしいです♪
モウさん、パスタイムさん
>あうぅ(つдi)私も幾度となく騙されました
>それそれ!

そーなのよ!
この問題は誰も本物と断定できるヤツを見たことがなかったり、国内の球根マニアの間でもいろいろ議論されてきました。
私、日本のサイトとかってあんまり信用してないのですけれど、今回ブルーベルのことを書きかけて、何の気なしに検索してみたら・・・
いつも美しい画像を楽しませていただいていたある^^サイトでさえ、堂々とスパとかハイをイングリッシュとして紹介してあり、がっくりきました。
小山さんの『球根植物写真館』は、さすがきちんとした説明があって、いつもながら信頼して拝見できますね。(勝手にいつもお世話になっています)

kotokuさん、setton8さん、
>こんなに群生してるって事は。かなり丈夫なんでしょうか?
>英国でも純粋なイングリッシュは減少しているらしいとの件も、同様話題になっていました。

スパニッシュやハイブリッドの攻撃を受けて、長い間この国に自生してきた純粋なイングリッシュ・ブルーベルは激減しているようです。
RHSも、田舎ではスパやハイを庭に植えないようにと忠告していますし、ナーサリーにラベルの表示をはっきりさせるよう指示しているとのことです。

もう一つ、イングリッシュ・ブルーベルが激減している理由は、woodland(主に落葉樹で成り立っています。いわば日本の里山みたいなもの)をコニファーの単一植林に変えてしまったことや、落葉樹のcoppicingをしなくなった事もあるようです。

画像は、「石楠花の下には何も生えない」とよく言われるのに、石楠花の巨木の下で元気いっぱいに広がるスパニッシュ・ブルーベル
24602.ami@京都   4月30日(月) 22時34分
lapisさん お久しぶりです、そしてブルーベルの森♪ありがとうございます♪
いやー、こんな景色見たらぎゃーとうるさく騒ぎ景色が台無しな自分が容易に想像できます〜。
ほんとのノンスクリプタ、図鑑にはおっしゃるヒアシンスの文字無しとありますが、ヒヤシンスの文字ってどこに?ですよね。(いま検索してみたらほんとはアイリスの一種という解説もありました)
イギリスでもヒスパニカと交雑しているとのこと、いつも植物の弱肉強食に人為的働きかけが必要なんだなぁと思います。結果のもとが人為的だからか。amiさん提供。
イングリッシュブルーベルと題したうちの球根、枝垂れず。イングリッシュ幻想のハイブリッドが咲きました。
24629.樹音@今朝も薄氷・・   5月1日(火) 17時9分
うっきゃ〜〜 ぶるーべる〜〜〜♪  ありがとうございますー。。
想像以上ですね、ここまで一面なんですか・・ 多種の花は存在しないんだ・・ 凄!

>あうぅ(つдi)私も幾度となく騙されました
私も今期騙されたのでしょうか〜 開花待ちですだー しかも野ネズに荒らされてどれがどれやら、無事なら咲くはずなんすがね・・

>イングリッシュとの自然交配が進み、法律で保護されてはいるのですが、純粋なイングリッシュは減少しているようです
・・と言う事はイングリ在住なlapisさんでも純イングリの入手は難しいのですか?
「種でも良いから・・」と邪念たっぷりな妄想をばしとりました(勿論販売品ですよ)
24641.lapis@イングランド南東部   5月1日(火) 21時35分
引き続き、時々イギリスからの風を届けさせていただきますね。

>イギリスでもヒスパニカと交雑しているとのこと、いつも植物の弱肉強食に人為的働きかけが必要なんだなぁと思います。結果のもとが人為的だからか。

うちの周辺は、車で走ると行けども行けども雑木林の中はブルーの海という景色がけっこう続きますので、
そんなに緊迫しているとは思えないのですけれど、専門家によってはイギリスのある地方ではもうすでに戦いは済んだと、
イングリッシュブルーベルの完全敗北を宣言する人もいるようなのです。

写真を撮った周辺は、土地の所有者たちが木々の伐採をして日当たりを良くしたり、下草刈りをしたり、きちんと世話をしていると聞いています。
ブルーの海になるには何世紀もかかるそうですので、やはり里山同様、人がきちんと世話をしていかないといけないようですね。

あ、そうだ!
もう一つ、イングリッシュとスパニッシュあるいはハイブリッドの大事な見分け方は「香り」です!
イングリッシュはヒヤシンスをもっとデリケートにしたような甘い香りがしますが、スパやハイは香りがしません。(あってもかすかな香り)
これも重要な見分け方の一つです。
24642.lapis@イングランド南東部   5月1日(火) 21時38分
樹音さん
>・・と言う事はイングリ在住なlapisさんでも純イングリの入手は難しいのですか?
「種でも良いから・・」と邪念たっぷりな妄想をばしとりました(勿論販売品ですよ)


イギリス国内だと、入手できますよ。うちは純イングリ、植えてます♪

でも、隣がいっぱいスパとハイを植えているので、いつも脅威にさらされているのです。
「見つけ次第抜きまくり」というのは、そんなわけなのです。
でも、花はけっこう可愛いので、咲くのを見届けてからすぐに花茎を切って、蜂に花粉を運ばれないようにしています。そして、葉っぱのある間に掘り起こして処理しています。

でも、タネからは東京以北でないと成功しないかも???
24664.てぬ   5月2日(水) 0時39分
すごくきれい。絵本の世界のようですね。
ハンモックでお昼寝したいですね。
24674.lapis@イングランド南東部   5月3日(木) 7時5分
てぬさん
実際には、有毒植物で、ことくさんが
>ごちゃごちゃっとその他雑草で駆逐されたりしないんですね(スギナとか;) いいなっいいなっ♪
の、一つの理由は、球根に含まれるケミカルが他の植物を駆除するからともいわれています。
妖精の花と言われるように、ブルーベルの森を横切るものには呪いが掛けられると言う話もあって(たぶんブルーベルを守るため?)、ハンモックでお昼寝するてぬさんを妖精たちがブルーベルの間からじっと見ているかもしれませんよー {{{{(+_+)}}}}
24679.てぬ   5月3日(木) 10時11分
>実際には、有毒植物で
ゲゲゲ・・・ゲゲッ
24687.ムク@暑かったねぇぇぇ   5月3日(木) 21時50分
lapisさん
>咲くのを見届けてからすぐに花茎を切って、蜂に花粉を運ばれないようにしています。
だいぶ前、テレビで見た記憶ですが
ホワイトガーデンを創る為、白だけのジキタリスにしようとしいるんだけど、それには蜂より早起きして違う色の花は切ってしまわないと絶対白だけにはならないと言ってたような・・?
ジーキルの庭だったかしらねぇ。。今でも白だけにする為早起きしてピンクの花は切ってしまっているとか・・。
まぁ、個人邸でそこまでする必要はないでしょうが、純血を守るなら蜂は怖いですよ〜。
24691.メルモ@都内某所   2007年5月3日(木) 22時8分
lapisさん、無事お戻りになったんですね。
ブル−ベルのさざなみ、いえ、私の目には十分に大海に見えます。これがさざなみなら、来春のブルーベルはいったいどんな景色になるのやら!
純イングリは、やはり本家イギリスでも交雑が進んでしまっているのですね。
交雑するような環境を作るのも、それを守らねばと立ち上がるのも人間なのよね・・・と、この手の話題ではいつも考えます。
私は種まきが超ド下手なので参加できないけど、樹音さんやトライなさる皆さんの成果を期待しております。
次(石楠花)行くよ〜
モガ狂トップに戻る
管理者注:本頁の写真は(`◇´)何人たりとも無断使用はまかりならん!
(本頁は2007年10月13日にアップしました。)