lapisさんが語る英国園芸の意外な真実
12.最後の紅葉ハンティング 後編

21816.最後の紅葉ハンティング2.
lapis@イングランド(南東部、罰金我無者)    12月5日(火) 6時18分
12月に入り、イギリスは荒れ模様の天候になり、所によっては時速100マイル前後の強風が吹き、木々が倒れ、洪水の恐れもあるというひどい状態です。
先週末、出かけたときには、まだ白樺の黄葉がきれいだったのですが、この嵐でそれも散ってしまう事でしょう。
現実の世界はうっとおしいイギリスの冬になりつつありますが、ネット上ではもう少し、晩秋の紅葉をお楽しみくださいね。

11月第3週末、またまた豪雨の翌朝からりと晴れ上がったのでSavil Gardenでの最後の紅葉ハンティングです。

この日は、正統派イギリス紅葉ハンティング装束に身を固めて出かけました(突如変化する天候と、庭の一部が湿原状態であるのを見越してです)。上はオイルコーティングのジャケット、下はウェリントン(何のことはない、長靴の事ですワ)と言ういでたちです。














前日の豪雨で、正直言って紅葉のクライマックスは少し過ぎてしまっていたのですが、それでもまだまだ色鮮やかでした。

21817.
残念だったのは、どうやらこの日、何処かのアマチュア写真クラブ(?)の人たちがバスツアーで乗り込んで来ていて、
行く先々で傍若無人に三脚を立てて陣取り、迷惑な事この上なし。
その人たちも、最後のシャッターチャンスを狙って出かけてきたのでしょうが、他の人たちの事はお構いなしで、大きな機材を担いでうろうろしながら、聞こえよがしにお互いのカメラ自慢などをしています。
こういう人たちって、何処の国でも同じだなあと思うと、ちょっと可笑しくもありました。  

と言うわけで、散りかけてはいるものの、最後の輝きを見せて燃え上がるこの樹にもこれ以上は近づけず、名札を確かめる事もできませんでした。

21818.
メタセコイヤもすでに落葉が始まっていました。
光を透かして、オレンジ色の霞が掛かったような葉っぱがとても綺麗でした。

オレンジ色の霞が掛かったような葉っぱ

21819.
この日の黄葉の中でも、ひときわ輝いていたのがこの樹です。
カリヤ・オヴァータ Carya ovata 、英名は Shagbark hickory。北米自生のクルミ科の広葉樹ですね。
こちらでは、姿かたちのいい樹のことを 'handsome tree' と表現する事がありますが、まさにその通りハンサムな樹です。
shagbarkと言う名の通り、年数を経た樹の幹は縦に裂けて、ささくれ立ったようになります。
ヒッコリーの中でも、一番香りがよくて、味もいい実の生るのがこのShagbark hickoryだと聞いています。
味はクルミと似ていますが、もっと甘味があるように思います。 日本でも最近はペカンナッツという名で人気があるそうですね。
こちらではピーカン(pecan)と呼んで、ケーキ作りには欠かせない材料です。
21820.
イギリスといえば、イングリッシュオーク。
イングリッシュオークは、この国の数少ない自生の樹木のうちの一つです。
イギリスは、世界に名だたる園芸大国で、ありとあらゆる植物が満ち溢れているように思われていますが、
もともとイギリスに自生している植物と言うのは、それほど多くはないのです。
7000年ほど前にイギリスはヨーロッパ大陸から分離したので、その時までにこの島にたどり着いていた(と言うべきか、取り残されたと言うべきか)樹木は、
たったの35種類だったという事ですが、イングリッシュオークはその中に含まれます。
正確に言うと、2種類のイングリッシュオークがあるのですが、狭いこの国の中でうまく北と南で住み分けているようです。

21821.
紅葉にばかり気を取られていたのですが、この日の発見のひとつは、これです。
Prunus Subhirtella 'Autumnalis' 日本では、十月桜と呼ばれていますよね。(でも、ちょっと花のつき方が違うようにも思いますが・・・)
花は半八重で直径1~1.5cm程の小さな花です。花が開き切ったものは、ポッと薄紅色に染まっていました。
こちらでは、暖冬であれば、11月から3月の間に裸木に花を咲かせるのですが、紅葉した葉と一緒に咲いているのは、始めて見ました。
(それとも気がつかなかったのかしら・・・花は紅葉した葉の下側にひっそりと隠れていました)
日本ではどうなのでしょうか。
う~ん。(^^;)惜しい。ピントが・・・

21822.lapis@イングランド(南東部、罰金我無者)    12月5日(火) 6時35分
今年の秋は、夏の猛暑に加えて、初秋に晴れの日が多かったところに急に冷え込んだことなどから、
紅葉の色も冴えて、例年よりも紅葉・黄葉を楽しめる期間が長かったような気がします。
でも、もうそれも終わり。あとわずかに残っている葉が落ちたら、本格的な冬の到来です。
ヒマラヤユキノシタと紅葉の競演


21824.樹音@ほっけいど    12月5日(火) 16時16分
ワ~イ 今年の秋は長~いどー しかもイングリ迄もみじ狩りなんぞ、なんて贅沢なんざんしょ(^O^)
前回の雨中紅葉も良かったけど紫外線強げなカッキ~ンな秋晴れも宜しやなー 甲乙・・ 付けがたい(困)
どれも好いけど特にならやっぱ歴史モンのイングリオークが好きかも・・ な~んも考えずにそのベンチから見上げて居たいです。
・・そんでもって、ヒマラヤユキノシタと紅葉競演も良かねー オーク落葉もラブ(*^_^*)
21827.arisu@しんじょう(=^^=)♪    12月5日(火) 19時50分
lapisさん。小判色の葉っぱにうっとりしてます。(^^;)☆\バキ

>どれも好いけど特にならやっぱ歴史モンのイングリオークが好きか・・な~んも考えずにそのベンチから見上げて居たいです。
樹音さんわたしも同じような事、感じました。(^^)
21822のヒマラヤユキノシタと紅葉競演写真の色合い。すっごく好みです。(^^*)
21830.メルモ@都内某所    12月6日(水) 2時7分
光が美しい!
lapisさんの光の捉え方はいつも素敵ですね。
メタセコイアのオレンジのきれいなこと……。ジュウガツザクラは、私も葉が落ちてから咲いたものしか見たことがありません。
珍しいものを見せて頂きました。なんだか不思議ですね。
前編の話題ですけど、setton8さん、3年前に、十数年ぶりで八王子に行きました。ものすごく都会になっていたのでびっくりしました。
私が何度か続けて行っていたのは30年前頃で、その頃のイメージから抜けきらないので、
駅の側にマンションがたくさん建っているだけでかるちゃあしょっくだったです。高尾山は中学時代に登ったことアリ♪ あの頃は体力が有り余っていた。

イチョウの葉は油分が多くて分解しにくいので、堆肥にする場合は、他の広葉樹の葉とは別に作った方がいいと教わりました。
同様に針葉樹も別にした方がいいそうです(というか、針葉樹で堆肥だと~? って感じでしたね、教えてくれた人は)。
時間がかかるので私は作ったことがありませんが、イチョウは完全に分解されればいい堆肥になるんじゃないかな。ボロさん提供のイングリッシュ・ブルーベル

中編で話題のイングリッシュ・ブルーベル。はい! 私も拝見したいです!
21832.ムク@師走って忙しくてイヤ    12月6日(水) 16時6分
長文を読んで理解することを脳が拒否してるのでこちらの鮮やかなお写真に引かれて出てきたですぅ~。
ヒマラヤユキノシタにショッキングピンクのモミジがスキ♪
あぁ忙しかぁ~≡ヘ(-_-+)ノ
21833.lapis@イングランド(南東部、罰金我無者)    12月6日(水) 20時35分
樹音さん、arisuさん。
このイングリッシュオークのある風景、いかにもイギリス的な感じでいいでしょう。
よく見ると、このときベンチの上にどんぐりのついた一枝が落ちていて(あるいは下に落ちていたのを誰かがそっと載せた?)、ちょっと物語の一場面のように思ったのですが・・・
紅葉し始めたBergenia とモミジの葉は、何気なく撮ったらけっこういい具合に写っていてうれしいでした。

メルモさん
十月桜って、紅葉と一緒は日本でも少ないのですかしらね。

メタセコイヤ、実物はもっとふあーっとした感じのオレンジでした。
私の今の課題は、安物デジカメでも何とか植物の本質みたいなのが写し取れないかなということですが、むずかしいですねえ。
それに、今のこのカメラ、マクロがまったくだめなんですよ。パソでいろいろ調整できるとか言いますけれど、IT音痴の私にはさっぱりわからんですワ。
針葉樹の葉は、こちらでは酸性土の好きな植物用の腐葉土を作るのによいと聞いた事があります。
できるだけピートモスを使わないようにしようと言う試みの一環なので、私もやって見たいと思っていますが、集めに行くのが大変でまだ実行していません。

21812のボロボロの木さんの写真、イングリッシュ・ブルーベルだと思います♪ 可愛いですよね。
一面の海になると、もっとスカイブルーに見えます。
21836.setton8@関東内陸南部(八王子) 12月6日(水) 22時23分
lapisさん、後編のほうも素晴らしいですね。
で、ようよう分かってきたのですが、私はどうも、同じ場面にいくつかの色があるほうが好みのようです。
多彩な色合いを見せて頂いて、ありがとうございます。

小説の中だけで知っていた「ヒッコリー」の実物も拝見できて、とても喜んでいます。
「ピーカン」、丁度今読んでいる小説に出てきました。奇寓です。

>十月桜って、紅葉と一緒は日本でも少ないのですかしらね
実物は見たことないのですが、何回か見た画像では、いづれも葉はもう無く、花だけ咲いていました。
なので、メルモさんに同じくちょっと驚きました。

で、メルモさん、私の知らない八王子をご存知なんですね。
ああ、そう言えば、何年か前に京八の駅は全く変わったのでした。
都会風(なのかなあ?)になったのかもしれませんが、ある意味では、ツマラナクなりました。
地方都市がどんどんミニ東京風になっていって面白みに欠けるようになったのと一緒だと思っています。
21839.モウ@宿酔い    12月6日(水) 23時46分 植花夢の十月桜。みーさん提供
lapisさん。素敵なお便りありがとん。

>>十月桜って、紅葉と一緒は日本でも少ないのですかしらね
>実物は見たことないのですが、何回か見た画像では、いづれも葉はもうなく、花だけ咲いていました。

確かうちのサイト内にもあったはずだと・・・。((((((ゴソゴソ

(^^♪ありましたん。 
              
http://mozmoz.web.infoseek.co.jp/jwel02.htm
21842.ami@京都    12月7日(木) 19時29分
晴れた日の黄金に輝く紅葉のお散歩、最高ですね~。
lapisさん御御足の調子はいかがですか?
イングリッシュオーク 悲しい気分にとらわれると木のある場所に行きたくなります。
いままで何年もこれから先何年もただ木が生きていると思うと平穏な気持ちになるのです。気の持ち様に植物は不可欠でございます。
ベンチに座って眺めた目線画像もありがとうございます♪
21843.ことく@金沢山間部    12月7日(木) 20時29分 ことくさん提供の十月桜
十月桜というか、兼六園の冬桜なんですけど、11月に見たとき葉は無かったです~
冬桜は、一度に全部咲かずに冬中、枝のあっちこっちで咲くんだヨ~ってガイドさんがおっしゃってました。
21849.setton8@関東内陸南部    12月7日(木) 22時59分
ことくさん、兼六園の冬桜の画像ありがとうございます。
金沢に居た頃は、秋~冬咲きの桜のことは全く知らなかったように思います。ただ、私、よく知っている訳でもないし、何回復習しても混乱しているのですが、十月桜と冬桜は別物なんですね。
☆ジュウガツザクラ(十月桜)は、八重で、Prunus x subhirtella cv.Autumnalis
☆フユザクラ(冬桜、別名コバザクラ)は、一重で、Prunus x parvifolia cv.Parvifolia
で、兼六園冬桜なんですが、これは「冬桜」がついていますが、どうやら、兼六園四季桜と同じものらしくて八重のようですね。
http://www.genetics.or.jp/sakura/htmls/kenrokuenfuyuzakura.html
が、この兼六園四季桜の素性はハッキリしないようで、ミステリアスな桜のようです。
晩秋~冬に咲く桜のことを全部ひっくるめて冬桜(つまり、上記の十月桜もフユザクラもコブクザクラもシキザクラ等も)と
言う場合もあるようなので、とても混乱しちゃいます。(スレズレ、すみません)
21853.花菱@横浜    12月8日(金) 0時48分
色の洪水でなく、グラデーションなのがいいですね。
やっぱり、秋は暖色の季節だな~って改めて思いました(^^)
それと以前、ウィズリーで大きい木を伐採していてビックリしたけど、冬の荒れ天気の為の予防なんだろうか?
小さい苗木も結構植えてありますよね(^^?
樹木の管理が日本の植物園だと倒れそうなら、支えてあったりするけど、単に日本人は気持ちがウェットだからなのだろうか?
ちょっと管理方法が違うのかな~と思っているのですが(^^;)
21855.lapis@イングランド(南東部、罰金我無者)    12月8日(金) 2時58分
モウさん
先週末、ちょっと覗いたWisleyで、すべての木々が葉を落としてしまっている中で、一箇所だけ辺り全体がポッと明るくなっている場所が
ありました。最後の最後になって、見事に紅葉しているスモークツリーを発見!
>あと紅葉が綺麗だなと思うのは、スモークツリーです。
と、書いていらしたモウさんに送ります。

Cotinus (Dummer Hybrid No.5) と名札にありましたので、検索してみたら、Peter Dummerさんによって作出されたハイブリッドで、Cotinus coggygriaCotinus obovatus を掛け合わせたもののようで、他にも何種類かあるようです。普通のスモークツリーよりも葉っぱが大きく、見事な紅葉でした。
近くによって見て、アレッ、これってスモークツリーじゃないのと思ったほどでした。

amiさん
>イングリッシュオーク 悲しい気分にとらわれると木のある場所に行きたくなります。
>いままで何年もこれから先何年もただ木が生きていると思うと平穏な気持ちになるのです。気の持ち様に植物は不可欠でございます。

本当にそうですよね!
いつもご心配ありがとうございます。
昨日初めて杖無しで出かけてみたら、夜になって足が腫れ上がってしまいました。天気の悪いのも影響しているようです。
21856.lapis@イングランド(南東部、罰金我無者)    12月8日(金) 3時5分
setton8さん
>小説の中だけで知っていた「ヒッコリー」の実物も拝見できて、とても喜んでいます。「ピーカン」、丁度今読んでいる小説に出てきました。奇寓です。
私は、ヒッコリーと言うと思い出すのは『大きな森の小さな家』の中で、おとうさんが獲ってきた鹿の肉か何かをヒッコリーで燻すという場面ですね。
そのお話を始めて読んだ時には、まだヒッコリーのことを知らなかったのですが、それでもとても香ばしい肉の焼ける匂いを想像してしまいました。
ピーカンの出てくる小説ってどんなのでしょう?
十月桜と冬桜、私もちょっと混乱です。
↑ Malus hupehensis               Mulus x zumi 'Professor Sprenger' ↓
同じく先週末のWisleyでみつけた実だけが残っているクラブアップル2種。
クラブアップルに興味をお持ちのsetton8さんに。

21869.setton8@関東内陸南部    12月8日(金) 22時36分
lapisさん、ヒッコリーはいくつもの小説の中で出会ったと思うのですが、今パッと浮かんだのは、シートン動物記のリスの話です。
せっせと木のうろだか地中に、ナッツを貯えていましたっけ。ピーカンは、クリスマスのお菓子作りの場面で出てきました。
冬に備えて食料を貯えるというのは、ヒトや動物を問わず、古からの智恵ですよね。
添付して下さったクラブアップルもそんな風に用いられたのかなあと想像しています。画像ありがとうございました。



┬┴┬┴┤π`;) lapisさんのシリーズは冬の間も続く予定です。皆さん、愉しみに待ってて下さいね。












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(本頁は2006年12月30日にアップしました。)