男鹿寒風山の花図鑑2(夏〜秋) |
(本頁は「男鹿寒風山の花図鑑1(春〜夏)」の続きです。)
【晩夏〜秋の花】
寒風山では真夏以降、秋まで切れ目なく何かしらの花が咲いている。
オガフウロ Geranium yesoense var. pseudopalustre f. intermedium か
ハクサンフウロ Geranium yesoense var. nipponicum
2016/09/20
山頂近くの草叢では、綺麗なフウロソウの仲間が咲く。
先述の工藤茂美氏はこの花をオガフウロ、津田氏はハクサンフウロとしているが、どちらが正しいのだろうか。
仮にハクサンフウロならば、秋田では1000m以上の高山にしか無い花なので、男鹿の低地に有ることは驚きとも言える。
開花期間は長く、私が見た限りでは、八月から十月近くまで咲いている。
同じ花は入道崎から男鹿水族館GAOにかけての草原や海岸の岩場にも多い。
オガフウロと
ツルボ Barnardia borealijaponica / Scilla thunbergii
2013/08/26ツルフジバカマ Vicia amoena
2017/08/20
コマツナギ Indigofera pseudotinctoria
草のように見えるが、実は低木。和名は「駒繋ぎ」の意味、茎が丈夫で、
馬をつなぎとめることができることから名付けられたと言われる。
2017/08/20
ヤナギタンポポ Hieracium umbellatum
各地の草原でよく見かけるが、日本以外に、
ヨーロッパや北米など北半球に広く分布する種とのこと。
2017/08/20ホタルサイコ Bupleurum longiradiatum var. elatius
海岸や山の草原などでときどき見かける。
2017/08/20
クズ Pueraria lobata
2017/08/20ツリガネニンジン
Adenophora triphylla var. japonica
2018/08/18
オミナエシ Patrinia scabiosifolia
クズやツリガネニンジン、ワラビなども混生。
2017/08/20
秋田の低地や山間には草原が極めて少ない。よってオミナエシなどに代表される草原性の植物もほとんど見かけなくなった。
寒風山は簡単にオミナエシに会える唯一の場所かもしれない。
ヤマハギ Lespedeza bicolor
2008/09/01シラヤマギク Aster scaber
2008/09/01
ネジバナ Spiranthes sinensis var. amoena
2008/09/01メガルカヤ Themeda japonica
イネ科の分類は難しいが、この種は比較的わかりやすい。
2008/09/01
ススキ Miscanthus sinensis
2008/10/02
センボンヤリ Leibnitzia anandria
春と秋の二回開花する。春は丈10センチ弱で白い花を咲かせ、
秋は高く茎を伸ばすが閉鎖花なので開花しないまま、実をつける。
2008/09/01オオノアザミ(アオモリアザミ)
Cirsium oligophyllum subsp. aomorense
手前にツリガネニンジン、奥にオミナエシ。
2008/09/01
オオノアザミ(アオモリアザミ)
Cirsium oligophyllum subsp. aomorense
の白花タイプ。
2008/09/012008/09/29タムラソウ(タマボウキ)
Serratula coronata subsp. insularis
アザミに似るが、棘は無いし、触っても痛くない。
2007/09/24
ノコンギク Aster microcephalus var. ovatus
2008/09/29
カナビキソウ Thesium chinense
ビャクダン科の半寄性植物。
2016/09/20フシグロ Silene firma
ナデシコ科。萼は立派だが、花弁は小さく、
花はガックリするほど地味。
2008/09/11
ヤマハッカ Rabdosia inflexa
2016/09/20
ヒキオコシ
Rabdosia japonica / Plectranthus japonicus
丈は1〜2mと大きいが、白いホコリのような細かい花をつける。
2008/09/11アキノキリンソウ Solidago virgaurea var. asiatica
男鹿にはオオアキノキリンソウ
Solidago virgaurea subsp. gigantea も有ると言われている。
2016/09/20
アリノトウグサ Haloragis micrantha
2008/10/02
センブリ Swertia japonica
昔に較べると少なくなった。
2008/10/02ウメバチソウ Parnassia palustris
2008/09/29
秋に寒風山を訪ねると、センブリを採取している老夫婦をよく見かける。
これだけ医学が発達し、効果の優れた胃薬がいっぱい有る時代だと言うのに、いまだに山で薬草を取る人が居るのには驚いてしまう。
それよりも特定外来生物として全国的に問題になっているオオキンケイギク Coreopsis lanceolata が寒風山でも目立って来ている。
取るならこちらの方を是非お願いしたい。
図鑑には未掲載だが、寒風山で見かけた植物を列記。
シバ、チカラシバ、スズメノヤリ、ヤブカンゾウ、サルトリイバラ、キツネノカミソリ、ヒトリシズカ、イタドリ、オオイタドリ、
キクザキイチゲ、センニンソウ、アキカラマツ、トリアシショウマ、キジムシロ、モミジイチゴ、メドハギ、フジ、ミヤコグサ、
ゲンノショウコ、オトギリソウ、メマツヨイグサ、オオマツヨイグサ、イブキボウフウ、オカトラノオ、クサレダマ、ヘラオオバコ、
ヨモギ、ノアザミ、チチコグサ、アキノノゲシ、コウゾリナ、ヒメジョオン、セイヨウタンポポ、オオキンケイギク、・・・
男鹿半島については、寒風山の他に男鹿本山(毛無山、真山も含む)や西海岸の植物も予定している。
特に本山と毛無山には珍しい植物が多く生育しており、東北では早池峰山と並んで固有種多産地域と言えるかもしれない。
ただしこれらはまだ調査途中なので、図鑑の方はしばしお待ち頂きたい。
次へ行く。 管理者注:本頁の写真は(`◇´)何人たりとも無断使用はまかりならん!
裏庭トップに戻る
モガ狂トップに戻る
(本頁は2019年3月10日にアップしました。)