秋田のとある草原の春姿

二年ほど前、『秋田のとある草原の地味なお花畑』と題し、主に秋の草花達を紹介しているが、ご記憶だろうか。
この草原は春もけっこう花が咲く場所であり、同じ秋田でも他ではあまり観られない花風景が展開する。また絶滅危惧のレッテルを貼られた植物が比較的豊富な場所でもある。
その割にこの地の植物が話題になることは少ない(と言うよりも、ほぼ皆無)。

五月の連休明けに訪ねると、草原の至るところで淡い紫色のキク科に出会う。
アズマギク Erigeron thunbergii
一説ではこの地のアズマギク群生は国内でも最大級の規模とのこと。
それは定期的な草刈りや火入れによって維持されてきた。
小さな女の子はデージーに似たこの花を見ると、だまっていられないようだ。本能的に十数本摘み取り、飽きたらポイと投げ捨てて帰ってしまうのだが、
その程度の干渉で減る花ではない。
とは言っても、花の数や密度は10〜20年前の方がもっと凄かった(参考⇒こちら。近年、疎らになった理由はよくわからない。

折角の機会なので、かつて他所で見たアズマギク Erigeron の仲間を少しだけ。
アポイアズマギク Erigeron thunbergii ssp. glablaratus var. angustifolius
1993/06/12 北海道アポイ岳にて。花数は疎らだった。
アポイアズマギクのアップ。
舌状花は白く、葉は細かった。
    ミヤマアズマギク
1987/07/05 岩手県早池峰山にて。
一緒にミヤマシオガマやミヤマオダマキなども咲いていた。
 
ミヤマアズマギク Erigeron thunbergii ssp. glablaratus
1990/07/28 白馬岳にて。この山のものは赤味の強いものが多かった。
 

とある草原に戻る。

これは花か実か。
オキナグサの実姿
この地ではオキナグサ 絶滅危惧U類(VU) も観られる。
しかしその数は少なく、植物体を覆う銀色の毛が枯れた芝生をバックに保護色のようになってしまうので、たいへん見つけにくい。
キジムシ
フデリンドウ ニオイタチツボスミレ
花の径は1センチちょっと。芳香があると聞くが、強い風で吹き飛ばされるせいか
私は嗅いだ記憶がない。


6月上旬。
アズマギクの花もだいぶ衰えてきた。
実はタンポポを小ぶりにしたような感じ。
ヒメイズイ
この山にはスズランも生えていると聞くが、何回訪ねても出遭えないでいる。
やや似た印象のヒメイズイは豊富だ。
ヒメハギ

タニウツギ
この地のタニウツギは徹底した管理下にあるせいか、丈は低いままで一人前の花を咲かす。
こんなに綺麗な花なのに園芸化されないのは、不思議な感もあるが、秋田ではこの花がやたらと多すぎる。うちの実家の辺りでは、イワシバナと呼ばれる。
あまりにもありふれた花だと、わざわざ庭に植えようという気も起こらんのだろう。またこの植物は縁起悪いとか、
過去の飢饉の悲惨なイメージを重ねる人も居る(詳細はこちら
真夏にヤマユリやカワラナデシコが咲き出すまで、この草原はしばし花休みの時期が続く。
次(真夏の草原)行くよ〜
裏庭トップに戻る
モガ狂トップに戻る
管理者注:本頁の写真は(`◇´)何人たりとも無断使用はまかりならん!
(本頁は2010年10月2日にアップしました。)