イントロというほどのものではないが、いきなり品種紹介に入るのもどうかなと思うので、少しだけ前置きを。

かつて拙サイトには、「ホスタ・ショー」と言うお題目の頁があった。
それはガーデン&ガーデン2005秋号、モウズイカ流(?)シェード・ガーデン葉壇の主役として活躍していたホスタ(ギボウシ)への私なりの思い入れを綴った拙い頁だったのだが、2001年の春、同コンテンツを編集者に言われるがままに、ほぼそのまま紙媒体のモ本に載せてしまった。当時は本とのダブリを避ける意図(本を買って頂いた方々への配慮かな?)もあり、ネット上から同頁を削除。その後、ホスタ(ギボウシ)は、一連の葉壇系頁などで、折に触れ、採り上げてはいるのだが、切れ切れの登用なので、以前よりは印象が薄くなってしまったことは否めない。

今年の夏、思いがけず、雑誌「ガーデン&ガーデン」の取材を受けた。そのテーマは何とホスタ(ギボウシ)だった。誌上では、うちの庭写真の上に

「ホスタ(ギボウシ)が教えてくれました。時間と空間の楽しみ方ー。葉同士の・・・」

なんてキャッチコピーが付いたが、(^_^;)本人はそのようなことを言った覚えはない。プロの編集者はさすがに作文がうまいな〜と感心したが、同時に、そろそろ自サイト上にも、ホスタ(ギボウシ)ばかり扱った頁を復活させようかなんて思うようになった。

青みがかったホスタ(ギボウシ)はハルシオン。右は斑入りアマドコロ。
1999/05/22

私とホスタ(ギボウシ)との出会いは、生まれて物心ついた頃から始まっている。当時、茅葺き屋根だった実家(農家)の軒下にそれはいっぱい有った。たぶんそれは↓のスジギボウシだったように思う。もうひとつは畑の隅にあったでかい奴、それは「ウルイ」と呼ばれ、茎を食用にしていた。

実家から持ち込んだ「スジギボウシ」。
ウェーブがかった芽だしは何度見ても新鮮だ。
古くからある日本の園芸品種だが、洋風の庭でも十分使えそう。1999/05/09

長じて山歩きするようになり、
タチギボウシ(コバギボウシ)の紫花に魅せられた。

タチギボウシ(コバギボウシ)の群生。
1993/08/24 焼石岳(岩手県)にて。

園芸の対象として、ホスタ(ギボウシ)を意識するようになったのは、今から12,3年くらい前だろうか。この時は花よりも葉の色合いや斑のバラエティーに魅せられるようになった。まずは近場の園芸店を捜し廻ってみる。ところが、なかなか見つからなかった。仕方なく古びた山草屋や植木市などもあたってみた。すると少しは有ったものの、どれもえらく高かったし、品種名もいい加減だったように記憶している。当時、ホスタは和名の「ギボウシ」で流通していた。

1995年の秋、現在の家に移ってまもなく、それまでの手持ち数品種(多くは無名)を日陰庭(当時はまだ庭木が小さかったので、厳密にはうちの廻りはどこも日当たり良好だったのだが、将来は日陰庭になることを見越して・・・)に据えてみた。

うちにやって来たばかりの頃の'金星'と'中斑トクダマ'(右下のちっこいの)。
当時のシェードガーデン(葉壇)はまだ日光がサンサンと降り注いでいた。
1996/06/14 1996/07/08

ガーデニング・ブーム以降、ギボウシは「ホスタ」の名で市民権を得た(一般の園芸店やホムセンでも手頃の値段で売られるようになった)
ξ´.`ξ 「イングリッシュ・ガーデン、中でもシェード・ガーデンに最適ですよん!」なんて紹介されると、当時のガーデニング・ファンの多くは、ホスタ(ギボウシ)に対し、勝手にハイカラで紗のかかったイメージを抱き、原産地は向こう(欧米)のように勘違いしたようだが、元々は日本や中国、朝鮮半島など東アジアの山ん中に生えていたユリ科の多年草なのだ。本家日本でもある程度は品種改良が試みられていたようだが、

葉が綺麗なだけでなく、花も咲き、日陰にも寒さにも耐え、病害虫にもやたらと強い
(○`ε´〇) 「パーフェクト・プランツ」

と捉えた向こう(欧米)の皆さんはもっともっと熱心に品種改良に励んだ。その結果、数多の華麗な品種が作出された(見出された)。そしてハイカラな品種名が付いてお里帰りしたのが、今日の「ホスタ」ということになろうか。

パトリオット。
白と深緑のコントラストが鮮烈。いかにもアメリカからやって来たという感じ。
2001/05/20

なおギボウシの学名、Hosta は、オーストリアのN.T.Host(1761-1834)への献名が由来と聞く。そうと解れば、「ギボウシ」と言うちゃんとした和名がありながら、ろくすっぽ知らない西洋人由来の名を呼ぶのはどうかなとも思うが、個人的には「ホスタ」の語感も気に入っているので、今回はホスタ(ギボウシ)の表現で通そうと思う(拙BBSでは「ギボちゃん」という愛称で呼ばれることもあった)

今年の夏、雑誌「ガーデン&ガーデン」の取材を受けた際、

「ホスタ(ギボウシ)は、一連のライフサイクルのすべてが見せ場・・・」

などとのたまってしまった。
ホスタ(ギボウシ)は、葉の鑑賞期間の長さではトロピカルな観葉植物には適わない。冬場は完全に葉が枯れてしまうのだ。しかし、それ以外の季節に関して言えば、ホスタ(ギボウシ)はベストの存在ではなかろうか。冬場以外はずっと、それも極めて変化に富む姿でガーデナー(園芸家)の目を愉しませてくれる。普通の草花なら、開花中の限られた期間しか着目されないものだが、ホスタ(ギボウシ)と来たら、もはや春のスタート時点(芽だし、展葉)から目が離せない。すっかり葉を広げた晩春〜初夏の草姿は単に綺麗なだけでなく、造形的にも素晴らしいものがある。大型品種になれば、草本には珍しく、風格や威厳すら、漂わせるようになる。ホスタ(ギボウシ)の魅力は、ここまででも十分すぎるくらいなのだが、初夏〜真夏には開花と言うオマケがある。真夏以降は多少草臥れるものの、晩秋にはつかの間、草紅葉を披露し、冬の長い眠りにつく。

まずは芽だしから行ってみよう。


芽だし

斑なし無名品種(仮にギボAとしておく)の鋭い芽だし。
背景のピンクはカンツバキの落花。右下はオダマキ。
1998/04/18

一週間も経つと・・・

ギボAの展葉の模様。左はクジャクシダ。
1998/04/25

春の陽射しを浴びて・・・

アルボマルギナータの芽だし。2001/04/20

芸術的な芽だし

ゴールドエドガーの芽だし。
右の黒っぽい葉はサラシナショウマの黒葉品種。2000/05/07



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(本頁は2005年10月9日にアップしました。)