野生のヘパティカ

いつもながら変な題名で恐縮です。ここで言う「ヘパ」とはヘパティカ Hepatica のことで、皆さんよくご存知のユキワリソウ(雪割草)の類を指します。
現在、ユキワリソウの名で流通している植物ですが、キンポウゲ科のミスミソウ(ユキワリソウ) Hepatica nobilis var. japonica やスハマソウ Hepatica nobilis var. japonica form. variegata も一部入ってるかもしれませんが、圧倒的大多数は、オオミスミソウ Hepatica nobilis var. japonica form. magna (新潟を中心とする日本海側地方原産で、花が大きく、色形極めて変異に富む)を指すものと思われます。なおサクラソウ科にも正式和名がユキワリソウ Primura modesta という植物がありますし、春早く咲く植物には俗名でそう呼ばれるものが他にもあるので、ちょっと注意が必要です。
さて、私はヘパティカの栽培は全くやっておりませんが、野生のものは過去に何回か見ております。今回は秋田に野生するオオミスミソウを少しだけ紹介したいと思います。花の大きさはいずれも1〜2センチと思って下さい。
オオミスミソウ 1992/03/29 オオミスミソウ 1992/03/29
オオミスミソウ 1991/04/16
(本写真のみ、生育地は奥羽脊梁。)
オオミスミソウ 1991/04/06
園芸植物として流通しているユキワリソウは花の色といい形といい、極めてバラエティーに富んでおりますが、野生のものはどうでしょうか。
上の写真4枚を見て頂ければ、お分かりの通り、野生の時から既に(^^;)バラエティーショーなのです。初めは信じられなかったのですが、自分の目で見てはっきり認識しました。隣り合ってる株はもちろん、極端な場合は同じ株から咲く花がそれぞれ違うと言うほどの徹底ぶりなのです。オオミスミソウ自生地

オオミスミソウの秋田での生育地ですが、(^^;)それは内緒です。
がそれほど山奥と言うわけではありません。
ただし私が最初にオオミスミソウに出会った場所は右写真のような極めて急勾配でしかも陰険な場所でした(従って写真撮影は(^^;)アクロバットそのもの)
このような場所だと、積雪はほとんどなく、真冬でもまともに寒風に晒されます。しかし日照は十分。オオミスミソウが他のSpring Ephemeral、例えばカタクリやイチゲ類よりも一足早く、開花出来る理由はこの辺にありそうです。反面、強い陽射しには弱いと聞きますが、この場所は陽春の季節から秋までは木の葉が光を遮るので、花後のオオミスミソウが潜伏するにはベストな場所とも言えます。
後で見つけた生育場所はここより傾斜だけは少しはましでしたが、その他の条件はほとんど同じでした。

一通り、写真を撮り終わり、帰ろうとしたら、ここで私はタイヘンなものを見つけました。
「山野草○○園芸」と看板の入ったトラックが山の入口にドーンと停まっていたのです。おそらくはユキワリソウの山盗りに来たものと思われます。私自身は写真はとりましたが、それ以外は一株たりとも、とってはおりません(でも、踏みつけなど何某かのアクションは与えている)
しかし、当時はこうやって採取されたユキワリソウが商品として堂々とまかり通っていたのです(今は?)。どちらかと言えば、自然保護派(野に置け蓮華草派)だった当時の私には許容できない行為でした。その後、私自身、園芸をやるようになりましたが、本格的に山野草園芸に踏み込めないでいるのは、この辺のキモチの整理がいまだについていないせいもあります。
(後日談: ごく最近ですが、オオミスミソウが自生する山林所有者の間で盗掘や勝手な入山を防止する為、保護運動が起こってます。)

年配の方の話では、かつてオオミスミソウはある所にはうじゃうじゃ、足の踏み場も無いくらい色とりどりの花が咲いていたとのことですが、現在(といっても1991年)ではご覧の通り、白花ばかりの疎らな状況です。こんなレベルでも、それを見たという点では私は幸せ者なのかもしれません。偶々私は見たのですが、孫子の代にはその保証はありません。
♪ヘパティカ・フィールズよ。永遠なれ。
オオミスミソウの(^^;)一応、これでも群生。 1991/04/06

オオミスミソウと同時期、近くに咲いていた花を紹介します。
ショウジョウバカマとオオミスミソウ
1991/04/06
キクバオウレン 1991/04/06
傾斜がきつく、雪の保護が無いせいか、この場所にはカタクリやイチゲ類は見当たりません。もしあったとしても、開花はもう一週間は後でしょう。こんな場所でも、やや湿った場所には、ショウジョウバカマ Heloniopsis orientalis やキクバオウレン Coptis japonica var. japonica を見かけました。


再びオオミスミソウ

八重や千重、唐子咲き、二段、三段、丁字咲きなどは無理としても、今少し青味や紅味の強い花は無いかと探し回ってみました。
オオミスミソウ、花弁が広いタイプ。 1992/03/29 花弁が狭いタイプ。1992/03/29
1991/04/06 葉の形が肝臓(ラテン語のhepaticus)に似ていることから、
Hepatica の名が付いた。 1991/04/06

本頁ご覧の皆様は可能であれば、(株)マルモ出版・発行の「マイガーデン2003年早春号 No.25」冒頭のSpring Ephemeral 雪割草・特集記事(岩渕公一氏・監修)も併せてお読み頂ければ幸いです。同記事に越後「雪割草街道」の案内が載ってましたので、抜粋案内致します。
◆国営越後丘陵公園 рO258−47−8001
◆雪国植物園 рO258−46−0030
◆大崎雪割草の里
(2003年3月1日オープン) рO257−47−4010(西山町役場)

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本頁は2003/02/16にアップしました。