早坂高原の花図鑑(5.九月〜、おわりに) |
(本頁は「早坂高原の花図鑑(4.八月中〜下旬)」の続きです。)
【九月〜十月の花、実、紅葉】
九月も半ばになると、さすがに花は少なくなる。それでも新しく咲き出す花が有るのには驚いた。
2011/09/15
トウヒレン属 Saussurea とまでは分かるが、
種名までは特定できなかった。
2011/09/15ヤマハハコ Anaphalis margaritacea
2011/09/15
アキノキリンソウ Solidago virgaurea var. asiatica
2011/09/15ネジバナ Spiranthes sinensis var. amoena
2011/09/15
ノコンギク Aster microcephalus var. ovatus
2011/09/15
林の中では、別の野菊が咲いていた。
シロヨメナ Aster ageratoides var. ageratoides
2011/09/15シロヨメナ Aster ageratoides var. ageratoides
個人的には初めて見た花。
2011/09/15
また草原に戻ると・・・。
モリアザミ Cirsium dipsacolepis
こちらも個人的には初めて見た花。
2011/09/15
リンドウ Gentiana scabra var. buergeri
個人的には初めて見た花。
2011/09/15リンドウ Gentiana scabra var. buergeri
2011/09/26
リンドウは意外に思われるかもしれないが、個人的には初めて見る花。
私の住む秋田など日本海側には、花冠の先が平開しないタイプのエゾリンドウやエゾオヤマリンドウばかりなのだ。
同じ東北とは言え、太平洋側のここには見慣れぬ花が多い。
ウメバチソウ Parnassia palustris
2011/09/15センブリ Swertia japonica
2011/09/26
(この時期の訪問記録はこちら ⇒ 9月中旬、某高原のラストフラワー(1) (2) )
秋は草木の実を多く目にする。
ハマナス Rosa rugosa (実)
2011/09/15
アヤメ Iris sanguinea (実)
2011/09/26ノハナショウブ Iris ensata var. spontanea (実)
2011/10/08
マユミ Euonymus hamiltonianus
2011/10/08
ヤマブドウ Vitis coignetiae
2011/10/08ガマズミ Viburnum dilatatum (実)
2011/09/26
ズミ Malus toringo (実)
2011/09/26
ノイバラ Rosa multiflora (実)
2011/09/26
スズラン Convallaria majalis var. keiskei (実)
2011/09/15ミソハギ Lythrum anceps (紅葉)
2011/10/08
ミソハギがこんなに赤く紅葉するとは今まで知らなかった。
ミソハギ Lythrum anceps の草紅葉
2011/10/08
ナナカマドの紅葉
2011/10/08ナナカマド Sorbus commixta (実)
2011/10/08
(この時期の訪問記録はこちら ⇒ 9月下旬。こんがり枯色や赤い実を愉しむ 10月の高原を朱に染めるのは誰?(前) (後) )
【おわりに】
以上の通り、早坂高原は尋常でなく花の種類が多いが、これは何故だろうか。
2011年7月、この地で花の撮影をしていたら、高原の管理人、K氏(当時60歳代)と出会い、興味深い話を聞くことが出来たので、ここに書き留めてみる。
●K氏が子供の頃、早坂高原は見渡す限りの草原だった。現在、シラカバやドイツトウヒ(植林)の林になっているところも皆草原だった。
当時は主に馬を養うための採草場所として利用されていた。
●オキナグサやアズマギクは、昔もっともっと多かった。数年前、80個もの花をつけるオキナグサの大株を見つけたが、すぐに盗掘された。
盗掘は依然として多い。最近は山菜(ワラビ)採りを装った主婦による盗掘が目立つ。
注意すると、(^o^;)知らなかったとかなんとか言い訳し、終いには逆切れするので始末におえない。
数年前、盛岡郊外のスーパーで山草市が開かれていたが、売りに出ていた植物は全てここから盗掘されたものであった。
●現在、火入れや採草、放牧はしていない。その結果、樹木が侵入し、繁茂するようになってきた。
自分を含めた少数の管理人が樹木を間引いたり、ササ刈りを行っているが、森林化に対してはあまりにも非力である。
ここで見られる植物(低木〜草本)の来歴を、K氏の話などをもとに再構成してみた。
本来の草原要素と思われるもの オキナグサ、アズマギク、フデリンドウ、クザカイタンポポ?、スミレ類、ミツバツチグリ、キンポウゲ、ヒメイズイ、スズラン、レンゲツツジ、アヤメ(?)、シロアヤメ(?)、ワラビ、ヤマオダマキ、オオダイコンソウ、キバナハタザオ、ナワシロイチゴ、ノイバラ、ニガナ、コウゾリナ、ノアザミ、ノハナショウブ、キリンソウ、カワラマツバ、ムシャリンドウ、ウツボグサ、エゾカワラナデシコ、 シモツケ、ヤナギラン、クガイソウ、オカトラノオ、トリアシショウマ、キンミズヒキ、ゲンノショウコ、ヨツバヒヨドリ、アキカラマツ、カセンソウ、ノコギリソウ、ヤマハハコ、ヤナギタンポポ、イブキボウフウ、ツリガネニンジン、キキョウ、ススキ、オミナエシ、タムラソウ、ハンゴンソウ、ヤマハギ、オオヨモギ、オオバギボウシ、ハナイカリ、ネジバナ、シオガマギク、シラヤマギク、ゴマナ、ノコンギク、アキノキリンソウ、モリアザミ、トウヒレン属の一種、リンドウ、センブリ、ウメバチソウなど湿原の要素 レンゲツツジ、ズミ(?)、ノハナショウブ、ヤマトキソウ、チダケサシ、ホザキシモツケ、クサレダマ、ミソハギ、コバギボウシ 亜高山帯要素 ハクサンシャクナゲ、ミネヤナギ、ナナカマド、マルバシモツケ、ベニバナイチヤクソウ、マイヅルソウ、ネバリノギランなど 森林の要素 マユミ、エゴノキ、アズキナシ、ヤマボウシ、ミヤマガマズミ、コマユミ、カタクリ、コケイラン、ササバギンラン、オニノヤガラ、アオスズラン、オオヤマサギソウ、ルイヨウショウマ、ルイヨウボタン、クルマバツクバネソウ、クルマユリ、タマガワホトトギス、オニシモツケ、カノツメソウ、フシグロセンノウ、ヌスビトハギ、ツルニンジン、シロヨメナ、サラシナショウマなど かつて高原を往来した牛の糞に由来 ハマナス 比較的近年、牧草として導入されたもの オオアワガエリ(チモシー)、カモガヤ(オーチャードグラス)、アカツメクサ、セイヨウミヤコグサなど 近年の遊歩道整備の折り、導入されたもの アヤメ(?)、シロアヤメ(?)、レンゲツツジ(?)、キレンゲツツジ、シモツケ、シモツケの黄金葉品種(?)、フランスギク、アラゲハンゴンソウなど
K氏いわく、ハマナスは昔から有ったが、アヤメやキレンゲツツジ、シモツケの黄金葉品種は昔は無かったように記憶している。
20〜30年前、遊歩道が整備されたが、その折に当時の施工業者によって植え付けられたものかもしれないとのこと。
ただしアヤメやシロアヤメについてはわからない。植栽だとしたら、わずか20〜30年であれほど広範囲に増え広がるものだろうか。
それとも、元から有ったが、開花期間が極めて短いので見過ごされていたとか。今の時代、そんなことはあるのだろうか。
次へ行く。 管理者注:本頁の写真は(`◇´)何人たりとも無断使用はまかりならん!
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(本頁は2019年3月14日にアップしました。)