2011年ロンリーハーツ植物紀行
ふらりと八幡平、8月上旬編。

岩手の某高原同様、八幡平もあまり日を置かずに訪ね、花レポートを続けようと思う。
前回(『7月下旬、ふらりと八幡平』)は麓の湿原から始めたが、今回はいきなり山頂近く(標高約1500m)のお花畑。

ニッコウキスゲの花数は前回よりも幾分か増えたような感じ。今頃が最盛期なのだろうか。
ひとつひとつの花は一日花なのに全体としてはけっこう長い間、咲き続ける。
ニッコウキスゲとハクサンボウフウ?
ニッコウキスゲは岩手の某高原には無い花なので、この地で十分に堪能しておこう。

黄系だが新しい花が咲き出していた。
キク科のトウゲブキ。
関東以西の皆様には馴染みが薄いかもしれないが、東北地方の高山(ただし山形県月山以北)や北海道の山地では普通に見られる花だ。
この仲間には、オタカラコウ、メタカラコウ、マルバダケブキなどがあり、花が綺麗で草姿も立派なものが多く、園芸植物として利用されることもある。
トウゲブキは高冷地が好みなので、本州の低地での園芸利用は困難と思われる。山で愉しむこととしよう。

雪消えが遅い斜面は、白や黄色の小花が心地よいお花畑を作っている。
白いのはカラマツソウとセリ科の何か
カラマツソウの花と実 黄色はミヤマキンポウゲと決まっているが、
白花のセリ科は何だろう。写真では葉の形が分かりにくい。
仮にハクサンボウフウとしておく。

カラマツソウは葉まで美しい。

葉ま(浜)で美しいのは塩竃・・・が名の由来(詳細はこちらとされるシオガマギクの仲間もちらほら咲き出していた。
エゾシオガマ ヨツバシオガマ

シオガマギクの仲間には魅力的な種類が多いが、半寄生植物なので栽培はきわめて難しい。
ここでちょっと脱線。
この花は何だろう?
ではこちらは?
2011/07/31 岩手の某高原にて こちらはAの葉っぱ

答はAがヤマブキショウマ Aruncus dioicus var. tenuifolius (バラ科)、
Bはトリアシショウマ Astilbe odontophylla (ユキノシタ科)。
科が違うのに、花や草姿がよく似ているので、私自身、ずっと見分けが出来ないままでいた。
今回、同時期に両方を見る機会に恵まれたので、これを契機に覚えることとしよう。

手持ち書籍によると、花の心皮が二枚で合性ならトリアシ・・・で、三枚で離性ならヤマブキ・・・、しかも雌雄異株とあるが、いかがなものだろうか。
私はルーペや図鑑を持ち歩く習慣がないので、生育地でこれを元に同定することは難しそうだ。
他に識別する方法は無いものか。
葉に着目してみよう。どちらも小葉の形は似ているが、
ヤマブキショウマの方は、筋(葉脈)の具合が同じバラ科のヤマブキにそっくり。定規で引いたような深い筋がポイント(上のC参照)。
なおトリアシショウマとそれによく似たチダケサシとの識別については、某高原の花レポートのこちらに掲載させて頂いた。

草丈や雰囲気は随分と違うが、次の三枚はいずれもヤマブキショウマ。
中腹の道路端で見た壮大な株。
丈は2mを超えていた。花は終わりかけ。
この株の丈は40センチ程度とコンパクト。
稜線近くの吹きっさらしで見かけた。
以前、早池峰山で見たミヤマヤマブキショウマによく似ている。

8月下旬の若い実姿
地味な花で園芸利用には程遠い感じだが、独特の風情や存在感があり、英国ではボーダーガーデンに使われているようだ。
庭スペースに余裕のある方はチャレンジされたし(ただし山鳥は烏賊んぞー)。
地味つながりでちょっと変わったアザミの仲間を紹介。
厳密には7月下旬に撮影したもの。
これはオニアザミか、はたまたチョウカイアザミか。
もしかしたら最近、新種として発表されたハチマンタイアザミ Cirsium hachimantaiense かもしれない。
ハチマンタイアザミの発見者は、雪氷学者、エッセイストとして知られる故・高橋喜平氏(作家・高橋克彦氏の伯父)。
詳しくは氏の晩年の著作、『八幡平の不思議 - 高橋喜平92歳・新種アザミ発見/岩手日報社』を参照されたし。


花からねばねばした液が出て、昆虫が絡めとられていることもあり、食虫植物のようにも見えるが、虫を餌にして生育しているふうでもない。
だとしたら、あのネバネバは何のために出るのだろうか。
八幡平では山岳道路アスピーテラインを走ると、山頂近くの道端、数箇所で見かける。ただし安易に駐停車出来ない場所なので、間近で見るには徒歩を強いられる。

最近、秋田や青森ではアザミの新種発見が相次いでいる。私もいつか新種を発見してみたいものだ。
次(8月下旬)へ行くよ〜
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(本頁は2011年9月3日にアップしました。)