リメイク版 秋田駒ケ岳の花&ムーミン谷の秘密

秋田駒の花2

ミヤマウスユキソウ (キク科) Leontopodium fauriei
ミヤマウスユキソウ
小さいのでヒナウスユキソウとも呼ばれるが、れっきとした欧州アルプスの名花エーデルワイスの仲間。
この仲間はコマクサ同様、たいへん人気があり、最近は山草屋のみならずホームセンターにも進出。
大手種苗メーカーからは絵袋入りのタネまで出ているほどだが、花壇に咲いてる姿はまだ見たことがない。
この仲間は不思議なことに、高山植物の宝庫、北アルプス白馬岳や北海道大雪山には無いが、質量ともに花の少ない東北の山には結構あるようだ。
花の分布を司る神様が不公平を戒めたのか云々はさておき、いつも虐げられてきた(被害妄想かな)東北人には喜ばしい話だ。
ご存知の通り、早池峰山にはハヤチネウスユキソウが特産し、集客の目玉になっている。
山麓ではエーデル・ワインなんて代物まで売ってるが、原料はハヤチネウスユキソウではない。

ミヤマウスユキソウは飯豊、朝日、月山、鳥海、そして此処秋田駒にあるが、実を言うと、駒ケ岳ではそれほど多くは見かけない。
従って、此処にあるのをご存知でない方も案外多い。実は八合目から登ってわりとすぐの所に1,2個所あるのだが、
意外に地味なせいかよく気をつけて歩かないと見過ごしてしまう。
以前、某中高年の団体さんを引率して登った際、その場所を教えたら、延々とカメラマンの列が出来、登山道を塞いでしまい、他の登山者にも迷惑をかけてしまった。
なお、いっぱい咲いてるのを、どうしてもこの目で見たいと言う方には、月山をお勧めする。
ここでは、早い時期なら、マゼンダの花が見事なミヤマシオガマも一緒に楽しめる。
(* 厳密には、白馬にはミネウスユキソウが産するが、本種をエーデルワイスの範疇に含めるかどうかは微妙なところ)

下写真: 男岳への登りから阿弥陀池を眺める。
 右手前の黄色い花はミヤマダイコンソウ。


ミヤマダイコンソウ (バラ科) Acomastylis calthifolia var. nipponica
ヘクソカズラやママコノシリヌグイほどではないとしても、ひどい名前だ。
もう少し容姿相応の名だったら、例えば、ミヤママルバキンバイとかマルバタカネキンバイソウ・・・
とかだったら、案外この花も先の人気投票の末席辺りに名を連ねていたかもしれない。  
後述のエゾツツジと並び、7月の秋田駒を代表するキャラクター。その割には、あまり印象に残らないし、私自身の手持ち写真も少ない。
この花の咲く頃の駒は、とにかく人が多く、延々と続く挨拶ごっこには消耗するし、高山植物監視員の視線も殺気立っている。
ミヤマダイコンソウのアップ ミヤマダイコンソウとエゾツツジ
要するにのんびり写真を撮るような雰囲気ではないのだ。
廻りがこうなのに、肝心のミヤマダイコンの方はと言えば、同じ黄色でもミヤマキンバイに比べると、心持ち淡く、風雨にもすぐ散ってしまう。
撮影の為に三脚をセットし、シャッター待ちの間にも、ハラハラ花弁が飛んで行くのは困ったもんだ。
更に致命的なのは、強烈なマゼンタのエゾツツジがいつも傍で咲いてること。
エゾツツジ (ツツジ科) Therorhodion camtschaticum
名前からもわかるように北海道に多い花で、本州にはごく少なく、秋田駒は分布の南限にあたると言われる
(最近、もっと南の早池峰や和賀山塊でも発見されたとのこと)。
南限だから、細々と生育などと考えたら大間違い。
全山至るところ(と言っても高い場所だけ)でドミナント(優先種)。平らな草叢から、岩場までびっしりなので、秋田駒ケ岳から蝦夷躑躅ケ岳とでも改名したいほど。
ツツジとは言っても、アレーッと思うほど、背がチンチクリンで、蕾の形もずんぐりしている。
よく調べると普通のツツジとはいろいろ違うところがあるようで、最近は別属に分類されている。


下写真: エゾツツシとコミヤマハンショウヅル

コミヤマハンショウヅル (キンポウゲ科) Clematis alpina var. fauriei
高山で見られるクレマチスの一種で、秋田駒ではエゾツツジの草?叢やハイマツの茂みなどに絡まってるのをよく見かける。しかもうじゃうじゃと。
いや、そんなの無かったよと言う方は、たぶん注意力が散漫なのか、見えてはいても、認識しなかっただけなのかもしれない。思い直してもう一度、右写真をじっくり見つめてみよう。
よく似た種類にミヤマハンショウヅルがあるが、花の大きさには関係なく、葉のつきかたで識別するようだ(ミヤマの葉は2回3出複葉、コミヤマは1回3出複葉)。実は私、子細に同定したわけではない。先人の著したこの山の植物ガイドブックでコミヤマ..と書いてあったので、そのまま踏襲しただけ。
もし間違ってたらゴメンナサイ。
コミヤマハンショウヅル

イワブク (ゴマノハグサ科) Pennellianthus frutescens
エゾツツジ同様、北海道では普通だが、本州では限られた山だけに分布。
私は鳥海山でも見たが、この辺が分布の南限だろう。となると秋田駒は奥羽山系での南限と言うことになる。
以前、北海道の大雪や十勝でみたイワブクロは、色も濃く、群落の規模も大きく、実に見事だった。
秋田駒のそれは、土埃を被ったような感じで、あまりパッとしないが、折角の機会なので記憶にとどめておいて下され。
時期はコマクサが盛りの頃、場所は大焼砂の斜面。
話変わり、我が家では、イワブクロの仲間、ペンステモンの園芸種が初夏の頃、花をつける。
こちらはイワブクロよりずっと背は高いが、花の形は同じような感じ。
この仲間は北米に分布の中心があり、アリューシャンや千島列島を越えて、最も西に張り出してきたのが、イワブクロだと聞く(最近、イワブクロはペンステモンとは別属になったが、近縁であることに変わりはない)。

ムシトリスミレ (タヌキモ科) Pinguicula vulgaris var. macroceras
前出のタカネスミレとは違い、こちらはタヌキモ科、食虫植物としても有名だ。
阿弥陀池の周りの湿原にも多いが、絵になるのは男岳の岩場にへばりつく姿。
ムシトリスミレのアップ。
廻りの丸っこい葉はイワウメ。

まだまだ紹介したい花はいっぱいあるのだが、噂のムーミン谷に踏み込んでみよう。


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(本頁は2009年1月10日にアップしました。)