(´π`;)モ育社の現職秋田植物図鑑
秋の野草1/まずは湿った林から・・

春、スプリングエフェメラルの饗宴が終わると、里山は深い緑に包まれる。鬱蒼とした森林の中に咲く花は少なく、有ったとしても、白く地味な花ばかりだ。
だから私のような花好きは、あまり寄り付かなくなる。かわりに遅く春を迎える北地や山の高みをめざすようになる。そこには初夏から真夏にかけて綺麗なお花畑が出現する。

夏の間、花の少なかった里山だが、秋が近づくと、少しばかり様相が変わってくる。
林の縁や流れの際など、草薮がひどくて見向きもしなかった場所にも、何かしらの花が咲き出す。
場所によっては、地獄の釜の蓋が開いたようにいろいろな花で埋もれることもある。
春、夏と違うのは、紅紫やピンク、青紫などロマンチックな色合いの花が多いこと。理由は良くわからないが、実際そうなのだ。

まずは湿った林から、
ツリフネソウ
園芸植物のホウセンカやインパチエンスの仲間。学名はImpatiens textori
湿り気のあるところなら、低地から高地まで、日陰日向を問わず、どこにでも咲く。流れの縁やそれに続く林の下などに大群生することもある。
とても綺麗だし、一年草なので簡単に育てられそうだが、不思議と園芸化されていない。あまりにも当たり前に生えているせいだろうか、はたまた葉が鬱陶しいのか。

しかし写真被写体としては面白い花。
本来ならもっと造形的、叙情的に撮りたいところだが、残念ながら、私にその方面の才能は無い。
本シリーズは「図鑑」と銘打った手前もあり、いわゆる図鑑的な写真で行くが、分類同定に使えるほど精巧なものではない。
単なる植物愛好家の思いつき植物図鑑なので、学問的な不備はどうかご容赦願いたい。
白花のツリフネソウ
ツリフネソウはまれに白花も見かける。
昔、秋田県森吉山や湯沢の山奥で白花の大群生を見たが、今もあるのだろうか。
ツリフネソウはいろんな花と一緒に咲く。
今回のパートナーはハナタデ。バックにチヂミザサも見える。
ツリフネソウとキツリフネは同じような場所に生えるが、
隣り合って咲くことはあまり多くない。
黄色は別種キツリフネ
花は葉の脇から突き出して咲くが、疎らで黄色も淡いので、ツリフネソウよりは一歩控えめな感じがする。
なのに学名はImpatiens noli-tangere
由来を手持ち書籍で調べたら、これがけっこう挑発的だ。Impatiensは「こらえられない」、 noli-tangereは「私に触れないで」という意味だそうだ。
英名はTouch-Me-Not Balsam 、これも同じ意味合いだ。触った途端にタネを弾け飛ばすことから、ついた名前と思われるが、表現方法が面白い。
なお、英名があるくらいだから、キツリフネは英国にも分布している。それどころか北半球に広く分布しているが、ツリフネソウは東アジア限局だとか。
キツリフネの群
こちらはキバナアキギリ(シソ科)。サルビアの仲間。
キツリフネよりもやや乾き気味の森林で見かける。
今回はあまりいい写真は撮れなかった。来年再挑戦のつもり。

ミズタマソウの仲間(アカバナ科)は湿った林の下や縁などに割りと普通なのだが、いかんせん花が地味なので見過ごされることが多い。
丸い果実にはかぎ状の毛が生えている。これで人の衣服や動物の毛に引っ付くのだろうか。
これはミズタマソウだろうか。
地味ついでに・・・。
たぶんガンクビソウ

ベニバナボロギク
は、秋田では今のところ山深いところ(ただし伐採地や林道沿いなど)でときどき見かける。
そのため、元からある野草と思われがちだが、実は最近、やって来た帰化植物、しかもそのルーツはアフリカと聞く。
地味ながらもゾクッとするような花色、草姿だ。
ベニバナボロギク アケボノソウ
アケボノソウの花アップ
アケボノソウも遠目には地味だが、近づいて上から見た花はとても魅力的だ。
リンドウ科センブリの仲間で二年草。草丈は大きいものでは1m近くなる。
ツリフネソウ同様、湿った林に群生することがある。

アケボノソウに少し似ているかもしれないが、
センニンソウはキンポウゲ科クレマチスの仲間。
センニンソウ
秋田では沿岸部がセンニンソウ、内陸に行くとボタンヅルと住み分けしているようだ。
前者はおおむね花つきが良いが、後者は花つきにむらがあるように感じる。どちらも明るい草薮や道端の土手などで見かける。
ボタンヅル
英国に生えるClematis vitalba は、センニンソウやボタンヅルを更に地味にしたような蔓草だが、トラベラーズ・ジョイ Traveller's Joy という洒落た名前が付いている。
羽毛のついた果実が風に乗って飛ぶさまを「旅人」に見立てたのだろうか。「老人のひげ」という別名もあるが、日本のセンニンソウの名前はその実を「仙人のひげ」に見立てたものとすれば、人間の考えることは、洋の東西を問わず、あまり変わらないものだ。
ボタンヅルの実 クサボタン
クサボタンもクレマチスの仲間。ただし蔓にはならない。茎は木化し、直立する(学名のClematis stansstansは「直立」の意味)
青味を帯びた株に出遭うとうっとりしてしまう。
クサボタンの終わり近い花とジャコウソウ(シソ科)


次(シソ科)へ行くよ〜
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(本頁は2009年9月23日にアップしました。)